時代が移り変わる中、創業の地に留まり商いを続けること。
かつて、このエリアには鉄の材料を扱ったり、加工する工場が多かったのですが、都内より土地が確保しやすいことから、その多くは埼玉など地方に移転していきました。しかしながら、当社は留まりました。埼玉地区の工場と都内のお客様を結ぶ中継地点、モノと情報が集まる場所になりうると考えたからです。中継基地として、ここを拠点に物流体制を整えることで、新たなニーズを引き出すことができました。配送の車も自社で7台配備。これは同規模の他社よりかなり多い台数です。 この体制を確立した結果、当社の強みである「短納期小口配送」がよりスムーズに展開できるようになりました。まず「人」ありき
商売は「人」ありき。当社はお客様と社員のおかげで今があると常に考え、感謝と信頼をベースにビジネスを行っています。 当社の営業スタイルは「富山の薬売り」を意識しています。お客様のもとに何度も足を運び、当社や商品についてご理解いただいた上で、ベストな提案をさせていただく。お客様に感謝いただけることを何より大事にしています。 現在、業績は好調ですが、東日本大震災やリーマンショック、消費税増税などの影響で大きなダメージを受け、苦しい時期がありました。その際も一番大事にしたのは「人」です。撤退や合併を選ぶ会社も多い中で、当社は一人もリストラすることなく、社員全員がアイディアを出し合ってピンチを切り抜けました。 ビジネスも組織づくりも受けついできた財産を活かしながら、未来を見据えて新しい価値を見つけ、道を拓いていきます。イノベーターとしての誇りと責任
創業61年の歴史を誇る宮澤商事。 三代目社長である宮澤伸英が大事にしていること、 それは「守るべき伝統」と「変えるべきこと」の見極めです。
鉄鋼商社として、仕入れや取引における交渉のあり方から支払いに至るまで、取引先との「信頼」「信用」を裏切らない関係を築き、維持していくことは、今までもこれからも守っていく伝統です。 一方、変えなければいけないことは「在庫のあり方」と「物流システム」。当社のビジネスの一番の強みは「短納期小口配送」が可能なことです。 鉄鋼業界は景気の変動を受けやすく、需給のバランスが変動しやすいため、在庫管理や納期を見直しながら供給体制を最適化し、トータル在庫量を小さくすることが一番の課題とされています。 しかし、「鉄」の商いはどちかというと待ち商売。仲間内で取引の仕方を変えない企業が多く、販路開拓のため積極的に営業したり、顧客ニーズに合わせたきめ細かな製品供給を優先する企業は少数派です。 現社長は、他社で修行時代に「短納期小口配送」と営業提案ができることが生き残る鍵と直感しました。「鉄」を必要としてくださるお客様のことをまず第一に考え、独自の仕組みをつくることで「短納期小口配送」を実現。それにより要望や情報も素早くキャッチできるようになりました。 優れた耐食性・加工性を持つ「錆びにくい鉄」をいち早く導入し、提供しているのもその成果です。 顧客ニーズをしっかり捉え、柔軟に対応することでお客様ともより良い関係を築くことができています。